ビルメンテナンス業界の課題とは|DXで変わる清掃・設備管理【2026年】
業界動向・トレンド

ビルメンテナンス業界の課題とは|DXで変わる清掃・設備管理【2026年】

ビルメンHUB編集部
2026年4月28日15分で読める

「ビルメンテナンス業界って、これからどうなるんだろう?」「人手が足りないのに、管理業務はどんどん増えている…」。そんな不安や課題を感じている方は少なくないはずです。

本記事では、ビルメンテナンス業界の基本から市場規模、現場が直面している課題、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション)による具体的な解決策までを解説します。清掃・設備管理に携わる経営者や管理者の方が、明日から実践できるヒントをお伝えします。

ビルメンテナンスとは?業務内容と市場規模

ビルメンテナンス業界の3つの主要業務と市場規模5兆1,615億円を示す全体像図
ビルメンテナンス業界の3つの主要業務と市場規模5兆1,615億円を示す全体像図

ビルメンテナンスの3つの主要業務(清掃・設備管理・警備)

ビルメンテナンスとは、建物の機能と価値を維持するための総合的な管理業務です。主に以下の3つの領域に分かれます。

業務領域主な内容頻度
清掃管理日常清掃・定期清掃・特別清掃(ワックス、ガラス等)日次〜年次
設備管理電気・空調・給排水・エレベーターの点検・保守日次〜月次
警備・防災常駐警備・巡回警備・防災設備の点検常時・月次

これらに加えて、害虫駆除や廃棄物処理、建物の外壁洗浄など多岐にわたる業務があり、ビルの安全・衛生・快適さを支えています。

市場規模はいくら?成長トレンドと最新データ

ビルメンテナンス業界は、安定した成長を続ける市場です。

矢野経済研究所の調査によると、2024年度の国内ビル管理市場規模は5兆1,615億円(前年度比106.9%)に達し、2025年度には5兆2,685億円に拡大する見通しです。

全国ビルメンテナンス協会のデータでは、業界の事業場数は約23,754か所、従事する労働者数は約115万人にのぼります。

出典: 矢野経済研究所「ビル管理市場に関する調査(2025年)」、全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑」

この成長の背景には、建物の老朽化に伴う維持管理需要の増加、オフィスビル・商業施設の衛生基準の厳格化などがあります。市場自体は拡大しているのに、現場では深刻な課題が山積しています。

ビルメンテナンス業界が抱える3つの課題

ビルメン業界の3大課題(人手不足・紙/Excel管理・属人化)を示す課題一覧図
ビルメン業界の3大課題(人手不足・紙/Excel管理・属人化)を示す課題一覧図

人手不足はどれほど深刻?有効求人倍率と高齢化の実態

60代以上57.9%・有効求人倍率2〜3倍などビルメン人手不足の深刻さを示すデータマップ
60代以上57.9%・有効求人倍率2〜3倍などビルメン人手不足の深刻さを示すデータマップ

ビルメンテナンス業界で最も深刻なのが人手不足です。

ビルクリーニング業の有効求人倍率は約2.0〜3.0倍で推移しており、全職種平均を大幅に上回っています。つまり、求職者1人に対して2〜3件の求人がある状態が続いています。

さらに深刻なのが高齢化です。ビルクリーニング業の従事者のうち60代以上が57.9%を占め、70代以上も27.0% に達しています。また、パート・アルバイトの比率が74.2% と非常に高く、安定した人材確保が難しい構造になっています。

出典: 厚生労働省「省力化投資促進プラン — ビルメンテナンス業 —」(令和7年)/原データ: 公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス情報年鑑2023」

若年層の採用が進まない中で、現在のベテランスタッフが引退すれば、業務の質を維持すること自体が困難になります。

紙・Excel管理が招く非効率な業務

多くのビルメンテナンス会社では、いまだに紙の点検表、Excelの案件管理、電話やFAXでの連絡が業務の中心です。

たとえば、現場スタッフが手書きで記入した清掃報告書を事務所に持ち帰り、別のスタッフがExcelに転記する。見積書はWordのテンプレートを毎回手作業で編集し、顧客情報は社長の手帳と事務員のExcelに分散している——。こうした光景は珍しくありません。

この非効率は時間のロスだけでなく、転記ミス・情報の散在・検索性の低さという問題を引き起こします。従業員10名以下の事業者では、事務作業だけで月に数十時間を費やしているケースもあります。

案件の属人化と引き継ぎの困難さ

「あの物件のことはAさんしか分からない」——ビルメン業界では、案件情報が特定の担当者の頭の中にしか存在しないケースが頻繁に発生します。

建物ごとの清掃手順、設備の特性、オーナーとのやり取り履歴。これらが体系的に記録されていないと、担当者の異動・退職時にゼロからの引き継ぎが必要になります。高齢化が進む業界では、この「属人化リスク」は経営上の致命的な弱点です。

ビルメン業界のDX — 具体的な解決策

紙Excelからクラウド管理へのBefore-After対比でビルメンDX解決策を示す図
紙Excelからクラウド管理へのBefore-After対比でビルメンDX解決策を示す図

上記の課題を解決するのがDX(デジタルトランスフォーメーション)です。政府も2029年度までにビルメンテナンス業の労働生産性を25%向上させる目標を掲げており、業界全体でデジタル化の機運が高まっています。

出典: 厚生労働省「省力化投資促進プラン — ビルメンテナンス業 —」(令和7年)

案件管理・顧客管理のシステム化

紙やExcelに分散していた案件情報を、クラウド型の管理システムに一元化する方法です。

  • 物件ごとの契約内容・作業履歴・連絡先を1つのデータベースで管理
  • 担当者が変わっても過去の対応履歴をすぐに参照できる
  • スマートフォンから現場でもリアルタイムに情報を確認・更新

属人化の解消引き継ぎコストの削減に直結します。特に従業員の高齢化が進む事業者にとっては、ノウハウの蓄積・共有の仕組みとして不可欠です。

報告書・見積書のデジタル化

手書きの報告書やWordの見積書をデジタル化することで、作成時間を大幅に短縮できます。

業務アナログ(従来)デジタル化後
清掃報告書手書き→事務所で転記(30分/件)スマホ入力→自動生成(5分/件)
見積書作成Wordテンプレ編集(20分/件)項目選択→自動計算(5分/件)
請求書発行Excel集計→印刷・郵送(月2時間)ワンクリック発行・メール送信(月15分)

月に数十件の報告書・見積書を扱う事業者なら、月あたり10〜20時間の工数削減が見込めます。削減した時間を現場作業や営業活動に充てることで、売上の向上にもつながります。

スケジュール管理と人員配置の最適化

複数の物件を抱えるビルメンテナンス会社にとって、スタッフのシフト管理は頭の痛い問題です。

カレンダー型のスケジュール管理ツールを導入すれば、物件ごとの作業予定、スタッフの空き状況、移動時間を考慮した効率的な人員配置が可能になります。急な欠員や追加依頼にも、全体の状況を見ながら柔軟に対応できます。

ビル管理の業務効率化についてさらに詳しく知りたい方は、「ビル管理の業務効率化|現場の課題を解決する5つの方法」もあわせてご覧ください。

DXを成功させるためのポイント

業務棚卸しから全社展開までDX成功への4ステップを時系列で示すタイムライン図
業務棚卸しから全社展開までDX成功への4ステップを時系列で示すタイムライン図

小規模から始める段階的導入

「うちはまだ小さいから、システムなんて大げさだ」と思われる方もいるかもしれません。しかし、DXは大企業だけのものではありません。

おすすめは、まず1つの業務からデジタル化を始めるアプローチです。たとえば、最も手間がかかっている「見積書作成」だけをシステム化する。効果を実感できたら、次は案件管理、その次は報告書——と段階的に広げていきます。

初期費用を抑えつつ、現場スタッフが新しいやり方に慣れる時間も確保できるため、失敗リスクが小さくなります。

現場スタッフが使いやすいUI

どれだけ高機能なシステムでも、現場のスタッフが使えなければ意味がありません。ビルメンテナンス業界はパソコン操作に不慣れなスタッフも多いため、スマートフォンで直感的に操作できるシンプルなUIが重要です。

ツール選定の際は、以下のポイントをチェックしましょう。

  • スマートフォン対応(現場から入力できるか)
  • 画面がシンプルで、操作手順が少ない
  • 無料トライアル期間がある(実際に現場で試してから導入判断できる)

ビルメンテナンス業界の将来性やこれからの市場動向について知りたい方は、「ビルメンテナンス業界の将来性|市場動向と生き残り戦略を解説」もご覧ください。

まとめ

ビルメンテナンス業界は、市場規模5兆円超の成長産業でありながら、人手不足・紙管理の非効率・案件の属人化という3つの構造的な課題を抱えています。

これらの課題に対して、DXは具体的で実効性のある解決策です。案件管理のシステム化、報告書のデジタル化、スケジュール管理の最適化——いずれも特別な技術力がなくても、クラウドツールの導入で実現できます。

大切なのは、完璧を目指すのではなく、まず1つの業務から始めること。小さな一歩が、現場の働き方を大きく変えるきっかけになります。


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